千里の匂いがする町(イギリス・スティブネジ・ニュータウン)

(2013年8月に訪問した時の記録です。)少し間が空いてしまいました。前回のブログと同じ旅の記録です。いよいよ、戦後の本格的な「ニュータウン計画」で造られた町、スティブネジです。

wikiによれば、イギリスでは第二次世界大戦終結前の1944年から戦後の住宅政策が検討され始め、1946年には「ニュータウン法」が制定されています。その第一号として誕生したのが、このスティブネジ。

ロンドンの北40キロあまり、田園都市として開発された第一号のレッチワース、第二号のウェリンと同じ鉄道線上にあり、両者の中間に位置しています。

ここは駅前のタウン・センター。パッと見た第一印象は…開発初期の南千里に似ています!歩行者だけに確保された広場に面した低層の商店街、民族性を感じさせない簡素でモダンなコンクリート建築…なんといっても連続窓のデザインが、今は消えてしまった村野藤吾設計の千里南地区センタービルのファサードを思い出させます。シンボルに時計塔や噴水を持ってくるのも、千里のあちこちで見られた設計です。

豪勢ではないけれどくつろいだ空間が演出され…集まっている人々の様子は…「田園都市ほどお洒落でもないけどロウワーでもない」いわゆる「ミドルクラス」を集めた感じが、なんとも「ニュータウン感」を醸し出しています。

レッチワース>ウェリン>スティブネジ…と時代順に見てくると、歩車分離がだんだんハッキリしてきて、これはクラスの問題ではなく時代の要素ですね。千里の開発よりは10年以上早いですが、千里の設計者はイギリスのニュータウンを勉強して計画を作っていますから、似るのは当然です。駆け足見学ではありましたが、このスティブネジ・ニュータウンを少し見てみましょう。(つづく

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